2013年10月30日水曜日

古市古墳群4~峯ヶ塚古墳

白髪山古墳(清寧天皇陵古墳)から北へ5分程歩くと峰塚公園があり
その一角に峯ヶ塚古墳があります。


左:峯ヶ塚古墳 右奥:前の山(日本武尊白鳥陵)古墳
公園の展望広場より
 



峯ヶ塚古墳 南より 左側が前方部
国史跡
前方後円墳(全長:96m) 5世紀末頃


後円部から、現時点では竪穴式石室と考えられる石室が
見つかり、総数3,500点以上の副葬品が出土しています。

数が多いだけでなく貴重な副葬品とされるものが多く有り
陵墓には指定されていない古墳ですが、大王級の被葬者が
想定されます。

刳抜き式の舟形石棺は阿蘇産の二種類の色調の溶結凝灰岩製で
長持山2号墳と同じく蓋と身で色調が異なっていたと考えられるとのこと。

銀製捩じり環頭や魚佩・木製刀装具を備える伝統的な大刀などや
渡来系要素が強い金・銀製品の副葬品から古墳時代中期から後期への
過渡期の古墳といえるようです。


※古市古墳群の古墳については『古市古墳群を歩く』を参考にしています。

 
北側に造出し有り
本来は二重濠が巡っていた
形象埴輪を伴う祭祀が内堤へ移行していたと思われる


後円部側に古い説明板がありますが
北側の道路側に新しい説明板があります






小口山古墳

峰塚公園は丘陵の端で、西側は丘陵を上がって行きます。
その一角に小口山古墳があります。


この展望広場を少し上がった辺りにあります




円墳(径:30m) 7世紀後半頃
横口式石槨(凝灰岩刳り貫き)

長さ:2.13m 幅:0.87m 高さ:0.63m
意外と小さい印象です





二上山が遠望できる広々とした公園です
東側に有料駐車場有り(5時間まで300円)
近鉄古市駅から西へ徒歩約15分




寺山・善正寺跡

小口山古墳からそのまま公園を出て、少し北のバス通りの道の
斜面を上がっていく途中の道端に、寺山・善正寺跡の説明板が
あります。




↑ ここにあります
ハーベスというスーパーを過ぎてもう少し坂を上ったバス停の道向かい

この善正寺があった辺りは寺山といわれ、竹内街道が通る交通の要所
であり、終末期古墳が多くみられるようです。

平安時代の文献に、野中寺以南の寺山は船・葛井・津の三氏の墓地で
あったと記されているそうです。

野中寺を船氏・葛井寺を葛井氏・善正寺を津氏の氏寺に比定されていますが
善正寺を船氏の氏寺とする説もあるそうです。

このお寺だけ全く残ってないですね~
廃れたから墓域になったのか、単に山だったから墓域になったのか?


小口山古墳の被葬者も善正寺の関係者の可能性があるようです。




善正寺は右手(南)100mの寺域に白鳳期の薬師寺式の伽藍
善正寺独自の模様の瓦や白メノウの礎石を使用
造営氏族の勢力の大きさがわかります







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